2016年を振り返る

2016年、気がつくとこんな時期になりブログも今年は2回しか書いてない事に気付いた。言い訳を上げれば、キリが無くなる。ごめんなさい。流石に年の瀬くらいは書いておかないとと思ったが、頭の中で全くまとまってないので、とりとめもない感じで書いていくことにする。
この1年も色々あった。4億円の追加の資金調達もしたし、NTTデータやTooなど他にも様々な会社との提携も発表したし、台湾に3つめのオフィスを出したし、この1年でグッドパッチの社員は100人を越えたし、起業してから丸5年経った。
ただ、1年を総括して言える事はやっぱり今年も大変だったということ。1年前のブログを読んでも同じように苦しかった事が書いてあり、今年はそこを一瞬抜けたかなと思ったのも束の間で、もっと大きな壁が目の前に立ちはだかった。一番大きな問題として出てくるのはやはり組織でありヒトの問題だ。
大体一般的には組織の壁は30人→50人→100人という段階で壁があると言われているが、うちは2年半前30人で、ちょうど1年前は50人くらいで、今は100人。この3年くらい毎年壁にぶつかっており、経営のアンチパターンを全部踏んでいるんじゃないかと思うくらいだ。会社がそれでも成長して残っているのが不思議な状況である。
30人、50人、100人のフェーズごとの壁についてはこちらの記事を読むと想像できます。
組織はなぜ潰れるのか” ~スタートアップの成長を阻む“成長の壁”の正体~
100社あれば100通りでもちろん全部当てはまるわけではないが、おそらくどの会社も近い状況には遭遇しているはずだ。
うちも夏以降に明確にこれは壁にぶつかったなと思うような事がいくつか起こった。ただ、そういう時は様々な問題が複雑に絡み合って大きな壁を構成しており、僕自身もその問題の本質を見つける事が非常に難しく苦労した。こういう時に組織の課題解決に向かうのは実は判断としては難しい。
先日も経営の”踊り場”問題というブログが話題になっていたが、こういうときこそ事業に向かいトラクションを増やす事に時間を使うべきというのも分かる。とても共感する内容のブログだった。
しかし、そこで僕が経営者として取った行動は**「100人の社員全員と1on1をする」**という事だった。10月中旬にこれを決めてそこから年末までの間の僕のスケジュールは1日中びっしり埋まった。この1年経営ボードを作り、事業をある程度役員に任せて社員との距離感は昔に比べて出てしまっていたが、もう一回社員全員と向き合い「みんながなぜグッドパッチに入ったのか」「グッドパッチで何がやりたいのか」「今の課題は何か」を直接1on1で聞いていった。中には厳しい事を言ってくる社員もいたし、話を聞いてそんな状況になっていたのかと思う事ばかりだった。そこから、今まで見えてなかった事が沢山見えてきた。正直、時間の使い方としては非効率かもしれない。それでも、やってよかったと思っている。社員一人ひとりの思いがより鮮明になった。
来年はこの100人の壁をどう越えていくかが勝負の年だ。事業的にも新しいサービスが2つリリースする。日本だけではなく海外をまたぐようなプロジェクトもすでに取り掛かっている。他の会社ではなかなか関わることができないような最先端な領域のプロジェクトばかりだ。とてもエキサイティングな毎日である。
起業して5年経った
そういえば9月で起業して丸5年が経った。起業して5年生き残る会社は15%程度と言われたりもするので、まず無事に生き残れている事に感謝。
実のところ、5年前は5年後にグッドパッチが東京、ベルリン、台湾の3つオフィスがあり、100人の社員を抱える会社になるなんて全く思っていなかったので、今の状況は自分でも驚いている。自分自身、この5年で何か変わったのかなと考えると変わった気もするし、何も変わってない気もする。ただ、この5年の中でも明確に意識が変わったポイントはあった。
それはやはりビジョンとミッションを明確にし、グッドパッチを絶対に潰さないと腹をくくった時だ。ちょうど30人を越え秋葉原から渋谷に移ってくる時。当時はまだどこかで潰れた時の言い訳を考えていて、社員にも入社する時にうちはスタートアップで潰れる可能性もあるので、うちにいる間にスキルをつけてどこにでも行けるようにしておきなさい。なんて事を秋葉原時代は言ってたけど、渋谷に移ってくる時に30人の壁にぶつかり、そこで「デザインの力を証明する」というゴールを明文化して腹をくくったというのが2年半前。だから最初の2年半はゴール設定無しで闇雲に頑張ってたって感じだった。ゴールを決めたのと逃げないと腹をくくった、これが僕にとっての一番の意識が変わったポイント。覚悟を決めたのだ。そこで強い意思が芽生えた。このチャンスを逃したら同じ事に挑戦する会社は、僕らの後はしばらく出てこないかもしれない、グッドパッチを諦める事は社会に取ってマイナスになる、そう思いどれだけ苦しくても逃げずに頑張っている。会社を続けていく上で意思の強さ言わば意志力は起業家が持つべき最も重要な資質である。
話は少し逸れるが、僕は色んな人にパッションが凄いとよく言われる事があるが、最初から情熱があった訳ではない。グッドパッチを始めてから、UIデザインを仕事にして、クライアントのために、ユーザーのために行動していたら、自分ももっとできるかもしれないと情熱がどんどん強いものになっていった。スタンフォード大学のTina Seeligの本でもあったが、「**行動してはじめて情熱が生まれるのであって、情熱があるから行動するわけではない」**のだ。
起業家は考えるより前に行動に移す人が成功する確率が高いと思ってる。行動を先にする事で得られる事は非常に多い。
その事に通じる話だが、この5年僕は経営していく中で様々な失敗にぶつかってきた。上でも書いたがアンチパターン全部踏んでるんじゃないかというくらい、失敗の数は多い。壁にぶつかる度に血を流しながら、それを何とか乗り越えて来た。
これまでの経験を考えて、これから起業していく人たちにアドバイスがあるとすれば、失敗をあまり効率的に避けようとしないことをおすすめしたい。今は起業家コミュニティも活発でイベントも沢山あるし、ネット上に沢山の起業家の話や失敗談が載っているので、実は色んな失敗は避けようと思えば避けれる事も多かったりする。しかし、**失敗を通じてしか得られない経験値があるのは確かで、失敗を乗り越えることで経営者としての胆力がついていく。**特に組織やヒトに関する失敗はより複雑でネット上の情報は当てにならないことも多いので、自ら向き合うしか失敗を乗り越える方法はない。不必要な失敗はしなくて良いが、確実に避けるべきではない失敗もあるので、それを見分ることが必要だ。ただし、それは一回経験したことがある起業家であれば容易に見分けれるが、初めて起業する人は難しいのでやはりメンターのような存在は必要なのだろう。僕もこの5年組織が100人になるまでに様々な失敗を越えてきているので、これからの起業家の若者に伝えられることは少なからずあると思うので、もし縁があった人には伝えて行きたいと思っている。
とか、偉そうな事を言っている割に今年も結構手痛い失敗をしてヘコんでいたのだが、起業時からうグッドパッチの顧問をしてもらっている伊東弁護士に「土屋さん、そんなにヘコむことないですよ。確かに今回のことは失敗かもしれませんが、土屋さんはその1回の失敗の裏で99の正しい選択をしているはずです。じゃないと会社はこんなに成長しないし、会社が存続してないですよ。自信持ってください。」と言われ、気持ちが救われた。伊東先生、本当にいつもありがとうございます。
と言うように、僕が5年も会社を続けてこれたのは、周りで支えてくれる沢山の人たちがいてくれたからこそだ。1人で色んなことを乗り越えるのは不可能だ。自分に実力がないことを認め、周りを頼る能力も起業家にとって重要な能力である。
5年は長いようで短い。この5年間、自分が成功者であるなんて微塵も思ったことはない。まだ何も社会に残せていない。周りにいる起業家はもっと世の中にインパクトを残している。起業して以来、年末年始も気が休まることなんて一度もない。頭から会社のことが離れることなどないのだ。常に挑戦者でいたいと思っている。次の5年ももっと大きな課題に挑戦し続けたい。
年末に書き始めたら、また長々と書いてしまった。 アカンアカン。親戚のおじさんっぽくなってきた。
2016年お世話になった皆様、本当にありがとうございました!
2017年もご迷惑をおかけすると思いますが、何卒よろしくお願いいたします!