社長の憂鬱 Melancholy CEO
しばらくブログの更新が滞ってしまった。もう1年も半分が過ぎるのか。。
最近の近況を書くと、グッドパッチは今年に入り40人ほど人も増え東京・ベルリン合わせてもうすぐ100人という規模になった。去年の後半に、取締役を増やし組織体制を作り、最初は大変だったがここ数ヶ月でうまく組織も回りだした。 さて、社長である自分の仕事はどうなったかというと、半年前とは大きく仕事内容が変わってしまった。ほんの1年前までは1人で2つの事業を見て、ほとんどの事を自分でやっていたのが、各事業は事業管掌の取締役が責任を持って数字を追い、CFOが管理・財務を見てくれ、社長の管轄は人事・広報・新規事業だけとなった。
そして、CTOから出るMTGもなるべく減らすように言われ、特にクライアントワークの方の関与は昔に比べるとかなり減り、もう全て把握するのは難しくなってきた。たった半年で急激に色んなモノが見えなくなっていった。 当然、信頼できる役員とメンバーがいるので心配はないし、確かに全社員の給与振り込みをしていた昔に比べると時間に余裕ができ、いわゆる社長業と一般的に呼ばれる仕事に時間が割けるようになってきている気もする。社長としてはある意味正しい姿なのだろうと思っていた。
社長の仕事ってなんだろうか
しかし、その結果この1、2ヶ月ほど社長の仕事というものにモヤモヤした感情を抱いている自分がいた。 「あれ、こんな社長になりたかったんだっけ?」「この規模の社長に求められることってなんだろう?」
ずっとモヤモヤ考えていた。
この1、2ヶ月、色んな起業家や経営者に会う度に「100人を越える時の社長の仕事って何ですかね?」というのを質問して聞いてみたり、グッドパッチの取締役会でも「社長の仕事に悩んでます」とボードメンバーと投資家の前で率直に聞いてもみた。
ちょうど先月IVSという経営者が集まるイベントもあり、沢山の経営者に一度に会うことができて、沢山気づきも得られたのもあり、だんだんモヤが晴れていった。
特に響いたのがグノシー元社長の木村さんやセプテーニ佐藤社長の言葉。 IVSのセッションも素晴らしい内容だったが、特に木村さんの以前のFacebookの投稿の内容がとても心に響いた。
“経営者が自社を飽きないように、自分の価値観を大切にする事、自分らしい会社にする事。 沢山のアドバイザーがいて、上場や買収や、細かい経営手法や大人のアドバイスをしています。 その様なアドバイスは勿論変えがたい価値があります。 しかし、いわゆる標準に流されていくと、らしさが無くなっていき、自分らしい価値観のある会社としての魅力が薄れていきます。
ビジネスモデルよりも、価値観。 売れるのはビジネスモデルではなくて、価値観を売るんです。”
この言葉は本当に響いた。
社長の仕事とは、創業者の仕事とは何か
それは決まった答えがあるわけではない。社長が100人いたら100通りのやり方があるし、他の会社ではうまく行った事がグッドパッチでは適用できないケースもある。
結局は僕がグッドパッチという会社をどういう価値観の会社にしていきたいかを考えて、自分なりの最適解を出さないといけないのだ。
そして、最近感じる事はやはり創業者(Founder)と社長(CEO)は違うということ。昔は創業者が大体社長をやるし、違うと思うことはなかったのだけど、ここ最近は創業者にしか出来ないことがあるし、明確に違うと感じるようになってきた。
やはり、会社の価値観の根本は「創業者はどういう思いで会社を立ち上げたのか、何を社会に証明したくてそのビジネスを始めたのか」、それが会社の根本になる。
過去を振り返ってみても、日本のメーカーが強かった時代というのは創業者が生きてた時だ。ソニーの盛田昭夫さん、井深大さん、ホンダの本田宗一郎さん、パナソニック松下幸之助さん、Founderがいなくなってからどの会社もおかしくなった。Appleも90年代に潰れそうなAppleを救えたのはFounderであるSteve jobsだけだった。そういう意味だとFounderがまだ若いGoogleとfacebookは本当に強い。日本でもソフトバンクや楽天、ユニクロのファーストリテイリングなどみんなFounderがそのまま社長をやって経営している。
それだけ、Founderには明確な価値観があって、それが会社の独自性になっているのだ。
ただ、そのこだわりが強くなりすぎて逆に時代の変化に対応できない会社もあるので、そこのバランスはちゃんと考えないといけない。
僕はグッドパッチのFounder兼CEOとして、やるべきことをちゃんとやろうと思っている。
自分らしさを忘れないように。
Playerであること
先日、全社員の前でしゃべる機会があったので、1、2ヶ月モヤモヤしていたことと自分の中でまとめた考えをスライドにして話した。
題名は**「社長の憂鬱 Melancholy CEO」**
Player 社内で一番仕事を楽しみ、圧倒的に結果を出す人として頑張りたい。
現場感覚をなくしている場合ではない。まだまだ最前線に立つリーダーでありたい。
それが自分の価値観である。