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2014年の振り返りと2015年の予想

2014年もあっという間に年の瀬になってしまいました。グッドパッチもなんとか無事に年が越せそうです。今年はグッドパッチも初の自社サービスローンチやら渋谷への移転やら色々とありましたし、組織も30名弱から50名規模まで拡大しました。ちょうど1年前は社員(ほぼ)全員を連れてサンフランシスコ・シリコンバレーに行ってたなーと思い出しつつも、2014年を振り返りたいと思います。

UIデザイナーの認知・需要が確実に増えた1年

2014年は日本ではここ数年の中でも最もUIデザイナーという職種が注目というか議論が巻き起こった年だったのではないでしょうか。僕がグッドパッチを起業して、UIデザインに事業を絞ってから約3年が経とうとしていますが、その時はUIデザイナーという職種での求人募集などはほとんどなく、UIに事業を絞った時もUIデザインにマーケットあるの?なんて言われましたが、この3年でWeb業界ではUIデザイナーの求人がかなり増え、UI関連のイベントや勉強会もかなり開催されるようになりました。特に今年の後半ではUIデザイナー不要説というブログから端を発したUIデザイナー論争が巻き起こり、UIデザイナーに関する記事が沢山出ました。グッドパッチも今年はDeNAとUI Crunchというイベントを立ち上げて、2回開催し募集開始からものの数十分でチケットが完売し、イベントを中継してもらったschooでも500人を越える視聴があったりと非常に今年はUIデザイン業界の認知が広がった年になったと思います。

ちょうど1年前にライフハッカーの記事で GE社の重役が予測する「将来的に重要になる職業」はデータサイエンティストとUIデザイナー という記事が出ましたが、まさにこれからの時代でますますUIデザイナーの存在というのは重要になります。日本においてはグッドパッチがトップランナーとしてUIデザイン業界を引っ張っていく存在でいたいですね。

グッドパッチの事業面

さて、グッドパッチがこの1年事業面でどうだったかというと、主力事業のクライアントワーク(受託)ではグッドパッチがアプリのUIをお手伝いしたマネーフォワードがグッドデザイン賞を受賞し、すでにユーザー数180万人を越えるサービスに成長され、僕がイベントなどに登壇してもマネーフォワードのユーザーが非常に多くいたりと、多くの人々に使って頂いているアプリに関わらせていただきました。他にも日経新聞社の新規事業NiidやビズリーチのキャリアトレックPatheeなど多くのアプリのお仕事をさせていただきました。1年ちょっと前はまだアプリの仕事とWebの仕事が半々くらいだったのが、今年は8割アプリの仕事になり、残りは管理画面のUIという感じになりました。(お仕事をいただいたクライアントの皆様ありがとうございます。来年もよろしくお願いします!)

今年少し面白かったのが、グッドパッチがこの数年でお手伝いしたスタートアップが大型の調達を沢山しまして、 ・Gunosy 約30億 ・マネーフォワード 15億(合計22億) ・アカツキ 14億 ・Pathee 1.3億 まさかの10億越え連発で、、一緒に仕事をしていたときは同じくらいの規模だったのがあっという間に凄いスピードで先に行かれるという、スタートアップ界のアゲマンっぷりを醸し出している状況ではありますが、僕としては嬉しい半面同じ起業家として焦りを感じる部分もありと複雑な気持ちですw 来年もこの様に成長が期待できるスタートアップのお仕事は優先的に受けていく所存でございます。

グッドパッチの事業面ではもう一つ、ついに初の自社サービスである**プロトタイピングツール「Prott」**をリリースしました。約1年前に開発をスタートし、春にクローズドβ版をリリースしたのですが、当初はバグの多さとサービス自体のもっさり感で社内でもあまり誰も使ってもらえず、モチベーションが下がるスタッフ達のケツを叩き続け、地道にユーザーインタビューと改善を重ね、10月にやっと正式版をリリースしました。リリースから3ヶ月ですでに1万2000ユーザーを越え、エンタープライズでもIDEOやヤフー、DeNA、GREE、イグニス、ビズリーチ、エキサイトなど多くの企業様にご契約いただいて非常に良いスタートを切れました。僕はこのProttに結構な勢いでぶっ込んでまして、今現状でも月間500万を越える投資をしながらサービスを改善していってます。結構色んな人にプロダクトはめっちゃ良く出来てるね、だけどプロトタイピングツールってマネタイズ難しそうだねとかマーケットあるの?なんて言われますが、2年後には日本でもほとんどのアプリ、Webを作る会社が使うツールになっていると確信しています。他の競合がいない日本のマーケットはProttの独占状態になると思っていますが、やはり重要なのは海外なので海外ユーザーをどう取っていくかというのが来年の課題です。

2014年相談が多かったビジネス

グッドパッチには日々沢山のお仕事のお問い合わせがありまして、僕も毎日沢山の起業家や事業者のサービスの話を聞きます。この1,2年やってて気付いたのはグッドパッチに仕事を依頼しに来る人達は大体が新しいサービスや新規事業などが多く、そのビジネスは数ヶ月〜1年でトレンドになる事が多いのです。例えば、うちがGunosyを手掛けた時はあらゆるニュースメディアのサービスがグッドパッチに相談に来ました。今はあるカテゴリで注目のニュースメディアになっているサービスも最初立ち上げの時に相談に来たり、スタートアップや新聞社の新規事業などニュースといえばグッドパッチという様にあらゆる所から相談が来ました。そこでわかったのが、なぜか同じマーケットやカテゴリのサービスが結構同じような時期にサービスを立ち上げようとするという事です。僕としてはそこでマーケットのトレンドが読めるので非常に面白いです。 この1年で多かったのが ・人材、求人系のアプリ ・キュレーションメディア ・動画メディア、YouTuber系サービス ・金融系サービス という様なジャンルのサービスがある時期に固まって相談に来ました。

そして、やはり多かったのがWebのトラフィックが検索エンジンに依存しており、アプリでサービスを展開しアプリでユーザーをどう集めて使ってもらうか、Webとアプリでどうコンテンツを切り分け、Webからアプリへの誘導をどの様にスムーズにするかという議論が多かったです。2015年はアプリ化への波はもっと大きくなると見ていて、自社のサービスをどうアプリに展開してWeb、アプリ、リアルでうまく連携しビジネスにしていくか非常に重要になると思います。

僕がこのビジネスをしていて面白いのがココで、あらゆる業界のトレンドを知ることができ、その業界の生の声を聞くことができたり、僕らが手伝った後に急激にマーケット自体が伸びていったりするので、本当にこの仕事は面白くてやめられません。

2015年どんなビジネスが活性化するか予想してみる

そんな中で2015年はどんなビジネスが活性化しそうか、グッドパッチに来ている相談や周辺情報などからかなり個人的な予想をしたいと思います。

・不動産×IT まずはこれです。これは間違いなく来年のトレンドになりそうと踏んでます。日本でも圧倒的にIT化が遅れている業界の一つ不動産業界ですが、来年は新しい切り口のサービスやアプリが出てきそうです。すでにGREEなどがここに張ろうとしていますが、古くからいるプレイヤー達がどの様に対抗してくるか、スタートアップがうまく切り込めるか楽しみなところです。ちなみにグッドパッチも一枚噛んでます。

・IoT 今年も十分にトレンドなキーワードになりましたが、今年はまだプロダクト群があまり出ておりません。2015年は実際にプロダクトがマーケットに多く流通し始め、そこから大きなインパクトが起きるようなプロダクトが生まれそうです。うちにもIoT関連の仕事は増えそうな予感はしてます。WiLとSonyのスマートロックQrioなど楽しみですね。

・エンタープライズプロダクト 2015年は日本でもエンタープライズプロダクトで新しい切り口のサービスが増えると思っています。今年は特にアメリカでSlackが驚異的な伸びを見せました。通常エンタープライズプロダクトは時間が掛かると言われていますが、2013年9月にβ版がリリースしてからたった1年で1000億円の企業価値をつけるなど非常に早いスピードでマーケットに浸透していきました。グッドパッチももう1年近くSlackを使っていますが、当時日本でも使っている会社がほとんどなかったのが今では日本のWeb業界でもSlackを使っている会社が多くなりました。日本でもこういったBtoBツールでマーケットに参入するスタートアップも多くなると思っていて、特に日本のエンタープライズマーケットにある製品群はなかなか酷いものが(特にUIが)多いので参入余地はかなりあると思っています。グッドパッチもまさにProttがエンタープライズプロダクトであり、来年が勝負です。

・バーティカルキュレーションメディア 今年、かなり衝撃的だったのがiemo、MERYのDeNAによる50億円買収でした。来年のトレンドとして間違いなくあるのはある一定カテゴリに絞ったキュレーションメディアでしょう。DeNAは間違いなくキュレーションに張ってくるので、スタートアップはDeNAより早く絞ったカテゴリでユーザーを集めないと厳しい事になりそうです。ただキュレーションメディアの課題としてあるのはマネタイズ部分で、今年多く生まれた面白系のキュレーションメディアもすでに淘汰がはじまってますが、どうマネタイズしていくかが非常に難しいところです。結局広告でマネタイズするのか、それともそれ以外の方向でマネタイズするのか、ユーザーを集めて売却するのか。キュレーションメディアのマネタイズ方法が一つのトレンドになりそうです。

・金融×IT(FinTech) 今年も後半Fintechという言葉で少し賑わいましたが、このカテゴリも2015年新しい切り口のサービスが出てくると思っています。僕の友人もあすかぶというアプリでユーザー数を伸ばしているみたいです。ここは既存プレイヤーが沢山いますが、特にアプリでは金融・証券系で面白いサービスがそんなに出てきてないので、既存プレイヤーがびっくりするようなサービスが出てきて欲しいですね。

というような感じでしょうか。そして上にあげたビジネス全てに重要だと言えるのがデザインです。デザインで差別化ができるサービスが勝つと思っています。(お仕事のご依頼お待ちしております。) 2015年もこの業界はニュースがつきなくて本当に面白いですね。今学生の子達は公務員とかメーカーとかに行かずにITに来た方が絶対に良いです。こんな面白い業界ないので。

デザインエージェンシーの未来

今年、僕らがいるデザイン業界での衝撃ニュースの一つがAdaptivePathが米国金融大手のCapitalOneに買収されたことです。この数年世界中のデザインエージェンシーがGoogleやFacebookなど大手の事業会社に買収される例がかなり多くなってきています。それだけデザインの価値が重要視され、インハウスでデザイナーを囲うべきだと言う感じになっているのだと思います。

The Rapidly Disappearing Business of Design (wired.com) 昨日のWired.comの記事にも出ていましたが、今デザイナーはインハウスで囲うようになっていてデザインエージェンシーはIDEO、Frog designレベルでないと生き残れないと書かれています。 これから日本でもデザイナーはインハウスで囲う時代になっていくと思います。日本では謎にWeb制作会社やホームページ制作会社なるものWebデザインをする会社がありますが、クラウドソーシングが広がる今確実に中途半端なWeb制作会社やデザイン会社は今後淘汰されていきます。 そんな中でグッドパッチはどの様に生き残り、成長し社会にインパクトを与えれる存在になれるか、この年末はそんな事ばかり考えています。一つ、グッドパッチが他のデザイン会社と比べてユニークな点としてはクライアントワークと自社サービスを両方持っている点です。海外のデザイン会社で自社サービスもやりながらデザインエージェンシーをやっているケースは非常に少ないですし、むしろやっては視点がブレるのでやらない方が良いとされています。デザインエージェンシーが自分達で事業を立ち上げてやっていく、2つの価値観が混在する所から新たなデザイン会社の可能性が見えるのではないかと僕は思っています。

まとめ

とすんなりまとめるつもりがまた長々と書いてしまった。。 グッドパッチをはじめて3年が経ち、もちろん最初は苦しい時期もありましたが、様々な幸運に恵まれたのと何より支えてくれるクライアントの皆様とパートナーの皆様、そしてグッドパッチで働くメンバー達のお陰で3年前よりも見える世界がかなり広がりました。2014年も前半は正直苦しい時期も続いたのですが、渋谷への移転をキッカケに運気も好転し後半は誰も辞めることなく20人近くもメンバーが増えビジネスも拡大しました。

この一年の一つの成果として、家族を持つ社員が増えた事が僕としては非常に嬉しい事でした。この1年で結婚・婚約した社員が5人、子供がいる社員が8人になりました。まだ1年半前とかどう考えても安定している会社ではなく、結婚するのに不安を覚えるくらいだったのが、1年半でこれだけ家族を持つ社員が増え、少しは安心して働けると思える会社になったということでしょうか。ベンチャーで安定を求められてもというのはありますが、少しでも安心して社員が働ける環境にするというのは経営者の責務だと思います。もっと安心して家族を持てる会社にしていきたいと思います。

2014年、色々とありましたが非常に良い年となりました。2015年はグッドパッチは年明けから一気に6人増え50人を越える規模になるのと、いよいよ世界に挑戦する年となります。個人的にも2人目の子供が生まれる予定ですので、色々と盛り沢山の年になりそうです。来年もグッドパッチ及び土屋共々よろしくお願いします! 良いお年を!

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