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未経験者から入ったスタッフの門出

グッドパッチには未経験から入社したスタッフが何人かいるのだが、そのうちの1人ゆかし(ニックネーム)が今月退職した。彼女はグッドパッチで僕のアシスタントやMEMOPATCHの運営やProttのサポートを担当し、特にMEMOPATCHは彼女が書き出してから凄く多くの人に読まれるようになってグッドパッチのブランド向上に大きく貢献した優秀なスタッフだ。 理由は転職なのだが、その転職先が凄いことにTwitter Inc.世界中誰でも知っているであろうTwitterを作った会社だ。そのTwitterのシンガポールオフィスに採用されたというのだ。さすがに聞いた時はビックリした。ゆかしが辞めるのは会社にとって相当痛手だが、そんなことよりもTwitter!?マジ??という感じで悲しさよりも興奮の方が勝った。僕はTwitterが大好きでTwitterによって人生が変わったと思っているくらい好きなサービスだ。まさかグッドパッチからTwitterへ転職する奴が出てくるとは、、これは何とも喜ばしいことである。しかし、一番すごいのはTwitterに転職を決めたゆかしだ。なにせ彼女は1年3ヶ月前うちに入ってきた時は未経験のスタッフだったのだ。

Twitterのつぶやきからの応募 2013年3月中旬くらい、僕は怒っていた。うちに面接に来たある若い男の子にUIデザイナーでの内定を出していた。その場ではうちに入る気マンマンという感じで、まあまだ経験は少ないけどうちで経験を詰めばいいデザイナーになりそうだと楽しみにしていた。しかし、後日実はある六本木ヒルズに入っているソーシャルゲームの会社からも内定が出て、少し迷っていると連絡が来た。当然年収の提示はうちよりも全然高く、こんなに経験の浅い子にこんなに払うのかと驚いた。僕は話をしようと彼を会社に呼んで聞いてみた。

「ゲーム好きなの?ソーシャルゲーム普段やるの?」 「いえ、やらないです。」

やはり、そんな気がしてた。

「そうか、多分今そのソーシャルゲームの会社に行っても、末端デザイナーでひたすらゲームのデザインをして、歯車のように働く事になるかもしれないよ。うちは確かに給料は最初はそんなに払えないかもしれないけど、経験はなくてもデザインを設計から任せてもらえて、色んな種類のサービスのデザインに関われると思う。多分ソーシャルゲームの会社での1年とうちの会社での1年だとUIデザイナーとしての伸びは1年後を見ると結構違うと思うけどなー。どうする?」 「そうですよね!分かりました!ソーシャルゲームに未来はありません!グッドパッチに入ります!」 「そうか、良かった。じゃあ来週から来ようか!」

と帰した。しかし、そのたった3時間後

「すいません、やはりソーシャルゲームの会社に入ることにしました」 とメッセージが来た。 僕はキレた。完全に判断基準がお金だったからだ。若いのに経験よりもお金を取ってどうする?と。 そしてTwitterで色々と(暴言を)つぶやいた。(今考えると大人げない)

そして、その数日後にグッドパッチの代表メールに今までには見たことがないような求人の応募が届いた。うちのデザイナー応募ではポートフォリオでサイトを作ってURLを貼ってくるというのは良くあるのだが、貼ってあったURLには「Dear Goodpatch」とキービジュアルに大きく書かれたデザインのサイトとその中にびっしりとグッドパッチへの思いが綴られた文章が書いてあった。

ご覧いただきありがとうございます!どうしてもGoodpatchで働きたくて、でもそれだけの実力がないことは明らかで、なのに諦めたくなくて、だったら失うものはないしとりあえず応募するだけ応募してみようと思って、このサイトを作りました。

そしてこう書いてあった。

うちの若手UIデザイナーで色んな案件に関わって設計からデザインまで色々任されるというような環境で1年働くという経験と大企業で初任給にしては高い給料もらいながら歯車として1年働く経験と1年後を見たらその差は歴然だと思うけどね。

このツイートを目にして、土屋さんとGoodpatchにすごく惹かれました。けれどそもそも私には大企業で歯車として働く実力もないので、この内容には当てはまらないし、このレベルで応募したって採用されるはずがない、とすぐに諦めたんですが、それでもどうしても気になってしまって、MEMOPATCHや土屋さんの過去のブログを読んでいくうちに、「ここで働きたい」という気持ちが無視できないくらい膨らんでしまい、「もしかしたら0.1%くらいチャンスがあるかもしれない」と思って、今回応募させて頂きました。

これは一部の抜粋だが、グッドパッチに入りたいという文章がビッシリと書いてあり、今の彼女の文章よりは多少は洗練はされてないのかもしれないが、それ以上にとても思いが伝わる文章だった。単純にグッドパッチにこれだけの思いを持ってくれているというのが社長としてとても嬉しかった。グッドパッチのFacebookグループにも回覧し、みんなそのサイトに驚いていた。

僕はすぐに彼女を面接に呼んだ。 そして、彼女が会社に来て面接をするために僕の目の前に座った瞬間に僕はこう言った。

「採用!」

まだ一言も発してないのに採用と言われ彼女は驚いていた。彼女がどんなスキルを持っているかわからないし、何ができるのかわからないけど、あの思いの詰まった文章を見た時にもう心の中で決めていた。

そこから一旦アルバイトとして僕のアシスタントとしての仕事と文章が書けたのでMEMOPATCHのライターとして働きはじめた。働き始めてすぐに、彼女はマルチな才能を見せ始め、持ち前の頭の良さと、頭の回転の早さ、英語もしゃべれるので海外の情報のキャッチアップの早さでMEMOPATCHでも良い記事をバンバン書き始め、僕はすぐに正社員に引き上げた。

彼女がMEMOPATCHを書き始めてから、更新頻度も上がりバズる記事もちょくちょく上がるようになり、MEMOPATCHからグッドパッチの事を知ってくれる人も多くなり、MEMOPATCHはグッドパッチの大きな武器となった。彼女は会社のバリューアップに大きく貢献してくれた。

しかし、彼女にはある思いがずっとあった。それは海外で働くことだった。入社して間もない頃の面談で、すでにその話は聞いていて「私はそんなに長くはいないと思います。」とも言われていた。まあ普通に考えたらどうかと思うかもしれないが、自分も海外で働いた経験もあるから気持ちもわかるし、彼女のモチベーションの源泉はそこだったし、やはりスタッフの夢を応援したいという気持ちもあり普通に応援することに決めた。

ゆかしがいなくなると一番僕にとって問題になるのが英語で、途中今年のはじめくらいにドイツの会社に最終面接まで行った時に「土屋さん、私いなくなるかも知れないんで本気で英語勉強してください」とどやされた事もあった。その会社は決まらなかったけど、その時にゆかしはおそらく今年中に海外に行くんだろうなと少し実感した。

そして、5月

まさかのTwitter。 驚いたし、本当に心からおめでとう!が出た。

Twitterをキッカケにグッドパッチに入社した彼女がまさかのそのTwitter社に転職することになったのだ。

会社でゆかしの退職が決まったことを伝える時にまず退社を伝えるとみんなため息と悲鳴を上げたが、Twitterに転職が決まったといった瞬間にそれは全て驚きと歓声に変わりみんなで拍手喝采になった。グッドパッチのスタッフみんなもゆかしの夢を応援していたのだ。

今回の転職に関してグッドパッチが彼女に何かをしてあげた訳ではない。当然うちにTwitterへのキャリアパスもコネもないのだ。彼女がただひたすら自分の夢のために諦めずに努力をし、行動をした結果である。彼女のように行動をすれば、こんなTokyoの30人ほどの小さなベンチャーからでも世界的な企業に入れるという事を証明してくれたのは沢山の人に勇気を与えるのではないだろうか。

未経験からグッドパッチに入って、たった1年3ヶ月で世界へのキップを掴んだゆかし。本当に尊敬するし、誇りだ。グッドパッチの卒業生として世界で暴れまわって欲しい。

Thank you & Good Luck, Yuka!!

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